
8月の生産は2か月連続の前月比低下
2026年8月の鉱工業生産は、季節調整済指数102.6、前月比マイナス1.7%と低下となった。
これまでの生産の動向については、2025年12月、2026年1月と2か月連続で上昇、2月、3月と2か月連続で低下となったが、4月、5月、6月と上昇、7月は低下※となり、8月も自動車工業や汎用・業務用機械工業などが低下したことから、全体として2か月連続の低下となった。
※7月速報時点では上昇したが、確報で下方修正となり、低下となった。
全15業種のうち12業種が低下
8月の鉱工業生産を業種別にみると、全15業種のうち12業種が前月比低下、3業種が同上昇という結果だった。
自動車工業や汎用・業務用機械工業などが低下したことから、全体として低下した。
低下寄与度が最も大きかった自動車工業では、普通乗用車、小型乗用車などが主な低下要因となっている。次に低下寄与度が大きかった汎用・業務用機械工業では、コンベヤ、運搬用クレーンなどが主な低下要因となっている。
一方、上昇寄与度が最も大きかった生産用機械工業では、金型、個装・内装機械などが主な上昇要因となっている。次に上昇寄与度が大きかった輸送機械工業(除.自動車工業)では、航空機用発動機部品などが主な上昇要因となっている。
出荷は2か月ぶりの低下
8月の鉱工業出荷は、季節調整済指数100.8、前月比マイナス2.5%と、2か月ぶりの低下となった。
業種別にみると、全15業種のうち14業種が前月比低下、1業種が同上昇という結果だった。
8月は、自動車工業や輸送機械工業(除.自動車工業)などが低下したことから、全体として低下した。
低下寄与度の最も大きかった自動車工業では、普通乗用車、自動車用エンジンなどが、次に低下寄与度が大きかった輸送機械工業(除.自動車工業)では、舶用ディーゼル機関、航空機用機体部品などが主な低下要因となっている。
一方、上昇した生産用機械工業では、金型、個装・内装機械などが主な上昇要因となっている。
在庫は3か月ぶりの低下
8月の鉱工業在庫は、季節調整済指数97.6、前月比マイナス0.5%と、3か月ぶりの低下となった。
業種別にみると、全15業種のうち、7業種が前月比低下、6業種が同上昇、2業種が同横ばいとなった。
低下寄与度の最も大きかった石油・石炭製品工業では、ガソリン、灯油などが主な低下要因となっている。一方、上昇寄与度が最も大きかった無機・有機化学工業では、ポリエチレン、合成ゴムなどが主な上昇要因となっている。
在庫率は2か月ぶりの上昇
8月の鉱工業在庫率は、季節調整済指数106.3、前月比1.7%と、2か月ぶりの上昇となった。
在庫循環図をみると、2021年第3四半期までは、「在庫積み増し局面」にあり、同年第4四半期から2023年第2四半期までの期間は、「在庫積み上がり局面」に位置していたが、2023年第3四半期には、「在庫調整局面」に達し、2024年第4四半期には、「在庫調整局面」を抜け出て「意図せざる在庫減局面」に入り、その後2025年第1四半期には「在庫積み増し局面」に入った。2025年第2四半期には再び「意図せざる在庫減局面」に戻ったが、2026年第3四半期(速)においては「在庫積み増し局面」に位置している。
これまで、一部の業種において、積極的に在庫の削減に取り組まれてきたと考えられ、その効果が顕在化されてきた可能性があるが、今後の動向に注視していく必要がある。
9月と10月の2か月を通じた生産計画
続いて、製造工業生産予測指数に基づいて、9月と10月の2か月を通じた生産計画について見ていく。
9月の生産計画では、前月比3.2%の上昇を見込んでいる。この計画どおりに生産されれば、9月の鉱工業生産の実績は、3か月ぶりの上昇が見込まれる。
また、10月の生産計画については、9月の計画から前月比3.1%の上昇となる見込みである。
生産計画は、生産実績よりも上振れする傾向がある。9月の生産計画について、生産実績との間で生じるズレを統計的に補正すると、9月の生産実績の見通しは、前月比1.6%と上昇する見込みである。
業種別にみた生産計画
9月と10月の2か月の生産計画による業種ごとの生産予測の伸び率を通じてみると、以下の図のようになる。
9月の生産計画では、11業種中7業種が前月比上昇、3業種が同低下、1業種が同横ばい、10月の生産計画では、9業種が前月比上昇、2業種が同低下の計画となっている。
9月の生産計画は、電気・情報通信機械工業、輸送機械工業などの上昇により、全体としては上昇する見込みである。
10月の生産計画は、生産用機械工業、電子部品・デバイス工業などの上昇により、全体としては上昇する見込みである。
8月の生産の基調判断は、「一進一退」に据え置き
2026年8月の鉱工業生産は、前月比マイナス1.7%と低下した。
これまでの生産の動向については、2025年12月、2026年1月と2か月連続で上昇の後、2月、3月と2か月連続で低下となったが、4月、5月、6月と上昇、7月は低下となり、8月も自動車工業や汎用・業務用機械工業などが低下したことから、全体として2か月連続の低下となった。
先行きに関しては、企業の生産計画では、9月、10月ともに上昇を見込んでおり、企業の生産計画は、しばしば実績から上振れする傾向があることから、こうした影響も考慮する必要がある。
また、こうした状況も踏まえ、鉱工業生産の8月の基調判断については、「一進一退」に据え置く。
なお、今後は、世界経済の動向などについて、注視していく。
鉱工業指数の結果概要のページ
製造工業生産予測指数の結果概要のページ
参考図表集
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
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