7月の鉱工業生産は、生産用機械工業などが上昇。基調判断は、「一進一退」に据え置き

7月の生産は4か月連続の前月比上昇

2026年7月の鉱工業生産は、季節調整済指数104.7、前月比0.1%と上昇となった。

これまでの生産の動向については、2025年9月、10月と2か月連続の上昇、11月は低下、12月、2026年1月と2か月連続で上昇の後、2月、3月と2か月連続で低下となったが、4月、5月、6月と上昇、7月も生産用機械工業や無機・有機化学工業などが上昇したことから、全体として4か月連続の上昇となった。

全15業種のうち10業種が上昇

7月の鉱工業生産を業種別にみると、全15業種のうち10業種が前月比上昇、4業種が同低下、1業種が同横ばいという結果であった。

生産用機械工業や無機・有機化学工業などが上昇したことから、全体として上昇した。

上昇寄与度が最も大きかった生産用機械工業では、半導体製造装置、フラットパネル・ディスプレイ製造装置などが主な上昇要因となっている。次に上昇寄与度が大きかった無機・有機化学工業では、合成ゴム、ポリプロピレンなどが主な上昇要因となっている。

一方、低下寄与度が最も大きかった輸送機械工業(除.自動車工業)では、航空機用発動機部品、航空機用機体部品などが主な低下要因となっている。次に低下寄与度が大きかった金属製品工業では、橋りょう、飲料用アルミニウム缶などが主な低下要因となっている。

出荷は2か月ぶりの上昇

7月の鉱工業出荷は、季節調整済指数103.5、前月比2.2%と、2か月ぶりの上昇となった。

業種別にみると、全15業種のうち12業種が前月比上昇、3業種が同低下という結果だった。

7月は、輸送機械工業(除.自動車工業)や石油・石炭製品工業などが上昇したことから、全体として上昇した。

上昇寄与度の最も大きかった輸送機械工業(除.自動車工業)では、舶用ディーゼル機関などが、次に上昇寄与度が大きかった石油・石炭製品工業では、軽油、ガソリンなどが主な上昇要因となっている。

一方、低下寄与度が最も大きかったプラスチック製品工業では、プラスチック製機械器具部品、プラスチック製容器(中空成形)などが、次に低下寄与度が大きかった金属製品工業では、橋りょう、飲料用アルミニウム缶などが主な低下要因となっている。

在庫は2か月連続の上昇

7月の鉱工業在庫は、季節調整済指数98.1、前月比0.5%と、2か月連続の上昇となった。

業種別にみると、全15業種のうち、8業種が前月比上昇、7業種が同低下となった。

上昇寄与度の最も大きかった電気・情報通信機械工業では、セパレート形エアコン、デジタルカメラなどが主な上昇要因となっている。一方、低下寄与度が最も大きかった電子部品・デバイス工業では、トランジスタ、混成ICなどが主な低下要因となっている。

在庫率は3か月ぶりの低下

7月の鉱工業在庫率は、季節調整済指数104.7、前月比マイナス1.7%と、3か月ぶりの低下となった。

在庫循環図をみると、2021年第3四半期までは、「在庫積み増し局面」にあり、同年第4四半期から2023年第2四半期までの期間は、「在庫積み上がり局面」に位置していたが、2023年第3四半期には、「在庫調整局面」に達し、2024年第4四半期には、「在庫調整局面」を抜け出て「意図せざる在庫減局面」に入り、その後2025年第1四半期には「在庫積み増し局面」に入ったが、2025年第2四半期には再び「意図せざる在庫減局面」に戻ったが、2026年第3四半期(速)においては「在庫積み増し局面」に位置している。

これまで、一部の業種において、積極的に在庫の削減に取り組まれてきたと考えられ、その効果が顕在化されてきた可能性があるが、今後の動向に注視していく必要がある。

8月と9月の2か月を通じた生産計画

続いて、製造工業生産予測指数に基づいて、8月と9月の2か月を通じた生産計画について見ていく。

8月の生産計画では、前月比6.4%の上昇を見込んでいる。この計画どおりに生産されれば、8月の鉱工業生産の実績は、5か月連続の上昇が見込まれる。

また、9月の生産計画については、8月の計画から前月比マイナス4.2%の低下となる見込みである。

生産計画は、生産実績よりも上振れする傾向がある。8月の生産計画について、生産実績との間で生じるズレを統計的に補正すると、8月の生産実績の見通しは、前月比3.1%と上昇する見込みである。

業種別にみた生産計画

8月と9月の2か月の生産計画による業種ごとの生産予測の伸び率を通じてみると、以下の図のようになる。

8月の生産計画では、11業種中8業種が前月比上昇、3業種が同低下、9月の生産計画では、10業種が前月比低下、1業種が同上昇の計画となっている。

8月の生産計画は、生産用機械工業、電気・情報通信機械工業などの上昇により、全体としては上昇する見込みである。

9月の生産計画は、生産用機械工業、輸送機械工業などの低下により、全体としては低下する見込みである。

7月の生産の基調判断は、「一進一退」に据え置き

2026年7月の鉱工業生産は、前月比0.1%と上昇した。

これまでの生産の動向については、2025年9月、10月と2か月連続の上昇、11月は低下、12月、2026年1月と2か月連続で上昇の後、2月、3月と2か月連続で低下となったが、4月、5月、6月と上昇、7月も生産用機械工業や無機・有機化学工業などが上昇したことから、全体として4か月連続の上昇となった。

先行きに関しては、企業の生産計画では、8月は上昇、9月は低下を見込んでおり、企業の生産計画は、しばしば実績から上振れする傾向があることから、こうした影響も考慮する必要がある。

また、こうした状況に加え、令和8年熊本地震による影響を見極める必要があることも踏まえ、鉱工業生産の7月の基調判断については、「一進一退」に据え置く。

なお、今後は、世界経済の動向などについて、注視していく。

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製造工業生産予測指数の結果概要のページ
参考図表集
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」

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