自転車は、通勤・通学、日常の買い物あるいは未就学児の送迎の移動手段として根強い需要がある。観光地では、レンタルサイクルが現地での移動手段として重宝される。今回は、手軽な移動手段の自転車の動向についてみてみる。
自転車の国内生産台数と輸入台数の推移
自転車の供給台数について、国内生産と輸入からその推移をみると、圧倒的に輸入に依存していることがわかる。自転車の国内生産台数(経済産業省生産動態統計)は、2005年193万台だったが、2025年は69万台に減少している。また、輸入自転車(財務省:貿易統計)も、2007年960万台だったが、2025年414万台に減少している。このように生産台数も輸入台数も減少傾向が続いている。
自転車の国内販売額の推移とその内訳
国内生産額と輸入額を加えた金額を市場規模とすると、2005年が889億円、2025年は1,327億円と金額では約1.5倍に拡大している。国内に生産拠点を有する企業の販売額をみると「電動アシスト車」がけん引していることがわかる。
一般財団法人自転車産業振興協会が公表している「自転車POS販売統計」(主要な自転車小売店の販売状況を調査した統計)から、2025年の車種別の販売額と販売台数をみると、台数では軽快車が39%と最も多くなっている。金額でみると単価の高い電動アシスト自転車が最も多くなり、台数では16%に対して金額では42%を占めている。
通勤・通学の交通手段の状況
国勢調査から15歳以上かつ自宅以外への通勤・通学に利用する交通手段をみてみる。交通手段として最も多く利用されているのは自家用車となるが、自転車を利用する人口が減少しているのがわかる。主に高校生となる15歳から19歳の人口は、2000年が749万人、2020年は562万人と187万人減少している。こうした少子化の影響を受けた15歳から19歳の人口減少が、自転車需要の減少要因の一つとして考えられる。
まとめ
台数ベースで見れば、自転車需要は長期にわたり減少していることがわかった。その要因として、少子化の影響を受けて高校生世代の人口減少があげられる。その中で、単価の高い電動アシスト車の伸長が自転車の需要を支え、国内販売額の増加に寄与していることがわかった。未就学児の送迎の利用が一般的だが、折りたたみ自転車やスポーツ車にも電動アシスト車が現れており、用途の広がりがみえる。都市部を中心にシェアサイクルも拡大している。やはり、手軽な日常の移動手段としての自転車への需要は根強いといえるだろう。今後とも自転車の需要動向に注目していく。
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